雲龍復活プロジェクト
雲龍復活プロジェクトとは?
かねてより準備を進めてまいりました「雲龍復活プロジェクト」が、令和8年5月18日(月)大安・壬辰(みずのえたつ)の日、辰の刻に、いよいよ始動いたしました。
龍神様に極めて縁の深い特別な刻限に幕を開けたこのプロジェクトは、阿保神社の拝殿に眠っていた雲龍の魂を、現代へと呼び覚ます取り組みです。
長年、この地と参拝者を静かに見守り続けてきた拝殿の雲龍欄間。しかし、歳月の重みにより、その姿はかなりの傷みを帯びていました。
このプロジェクトは、その美しい雲龍を蘇らせることから始まり、さらなる奉納・授与品を通じて、阿保神社の霊的な力を未来へとつなぐ継続的な挑戦です。
雲龍欄間美装修理の奉納について
奇跡的な「ご縁(神結び)」
現在の松原市は、昔は河内国(かわちのくに)に属しており、古くから欄間の伝統工芸が非常に盛んな地域です。その息吹を受け継ぐ「阿保地車保存会」の地車(だんじり)にも、素晴らしい龍の彫刻が施されています。
当社の拝殿正面にも、いつの頃かは詳らかではありませんが、伝統の技が光る「雲龍の欄間」が奉納され、長年この地と参拝者を見守ってくれていました。
しかし修理が必要な状態となっていたその折、素晴らしい「神結び」をいただきました。
地元企業・マツバラ金網株式会社 代表取締役 東田龍一郎様より、ご自身の還暦にあたり、神恩感謝のご奉納についてご相談をいただいたのです。
東田様はお名前に「龍」の文字をお持ちであり、さらに「甲辰(きのえたつ)」のお生まれでいらっしゃいます。この奇跡的なつながりに深いお導きを感じ、雲龍欄間の美装修理をご提案させていただきました。東田様には快くご賛同・ご奉納をいただき、美しく蘇った雲龍の姿を、皆さまにお披露目できる運びとなりました。
前回の雪洞(ぼんぼり)のご奉納に続く今回のご奉納に、心より深く感謝申し上げます。この地を照らし、東の守り神としての青龍を復活してくださったことへの御礼は、いくら申し上げても申し上げ足りません。
奉納奉告祭・除幕式
日時:令和8年5月18日(月) 午前7時28分〜7時48分
「壬辰(みずのえたつ)の日」かつ「辰の刻」という、龍神様に極めて縁の深い特別な刻限にて、奉納奉告祭ならびに除幕式を執り行いました。


プロジェクトの広がり
【第二弾】雲龍御朱印 スタート!
令和8年5月18日より、このプロジェクトを記念した特別な「雲龍御朱印」の授与が始まりました。

【第三弾】オリジナル龍体文字御守り(準備中)
特別なパワーを秘めた「オリジナル龍体文字御守り」のお頒ちも予定しております。開始時期は決まり次第お知らせいたします。
雲龍についての考察
美しく蘇った拝殿の雲龍欄間には、私たちの地域と日本を守る、深い「3つの意味」が込められています。
① 龍について ――日本の正統を伝える「3本爪の龍」
龍は、東洋の霊獣の中でも最も神聖な存在として、古代より天地を結ぶ使者と崇められてきました。雨を降らせ、雲を呼び、水を司る霊力を持つとされ、農耕民族であった日本人にとって、龍は豊穣と生命の象徴そのものでした。
龍の爪の数は、その格式と意味を示す重要な指標です。かつての中国では、五本爪の龍は皇帝のみに許された至高の象徴であり、属国や遠方の国には爪の数が限られた龍しか許されなかったという歴史的な背景があります。
しかし、日本においてはまったく異なる歴史が育まれてきました。
龍の信仰が日本に伝わった平安時代の頃から、日本の龍の多くは「3本爪」の姿をとってきました。それは大陸の権威の体系とは切り離され、この地に根ざした純粋な信仰として定着したものです。
「3」という数字は、日本の精神世界において特別な意味を帯びます。三種の神器に通じる神聖さ、そして「天・地・人の調和」をもたらす霊数として、古来より尊ばれてきました。三本の爪は、地に根を張り天に向かう力強さと、人の世に寄り添う霊獣としての謙虚さを、同時に体現しています。
阿保神社の雲龍もまた、この3本爪の姿をしています。河内の伝統工芸の手によって奉納されたこの雲龍は、外来の権威にとらわれず、古来の日本の姿、そしてこの地域に根ざした純粋な龍神信仰を今に伝える、極めて正統かつ貴重な存在です。

② 阿保神社末社・厳島神社との関連 ――水の神「市杵島姫命(弁財天)」との深い神縁
阿保神社の境内には、水を司る神・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)をお祀り申し上げる末社・厳島神社がございます。宗像三女神の一柱であり、弁財天とも習合されたこの御神は、水の流れ、音楽、言霊、そして財福を司る、この国において広く深く信仰されてきた女神でいらっしゃいます。
龍神と弁財天の結びつきは、日本の神仏習合の世界において、切っても切れない深いものがあります。
各地の弁財天の社には龍神が眷属として祀られ、江ノ島・竹生島など水辺に鎮まる弁財天のもとには、必ずといってよいほど龍の気配があります。それは偶然ではありません。龍も市杵島姫命(弁財天)も、ともに「水」という太古からの生命の源を本質としているからです。
この神縁を陰陽で読み解くならば、天空を翔け恵みの雨をもたらす「雲龍」が陽(天)であるのに対し、その水を受け止め大地を潤す「市杵島姫命」は陰(地)の役割を果たされます。天の龍と地の水神が一社のうちに共鳴するとき、この地には清らかな霊的均衡が生まれます。
雲龍欄間の復活は、末社の市杵島姫命の御神徳をさらに高め、阿保神社の「水の霊力」をより一層強める素晴らしい契機となります。この地一帯の水利と繁栄が、完璧な調和をもって守られていることの証にほかなりません。
③ 阿保神社の拝殿が東を向く欄間に奉納された理由とは? ――東方の青龍の守護
古来、日本は四方を聖獣が守る「四神相応(ししんそうおう)」の思想を国土の守護として大切にしてきました。東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武――それぞれが方位を守護するこの思想において、東方を守護するのが青龍です。
東は、太陽が昇る方位です。すべての始まり、新しき命、「旭日昇天」の強い運気が宿る場所とされています。
阿保神社の拝殿は、東を向いて鎮座しています。
毎朝、東の空から昇る瑞々しい太陽の光を正面から受け止めるこの拝殿に、雲龍の欄間が奉納されていることには、計り知れない神聖な意味があります。
拝殿の正面で東(青龍の位)を睨む雲龍は、日の出のエネルギーを全身に浴びながら、境内に忍び寄る災いを打ち払い、参拝される皆さまに悪病退散・家内安全の御神徳を注ぎ続けてくださいます。

「壬辰の日・辰の刻」という龍神様に最も縁深い刻限に除幕式を執り行ったことも、この東方青龍の守護という意味と深く呼応しています。
伝統の手技で蘇った雲龍は、まさに東方の青龍が目を覚ましたかのような、瑞々しい生命力に満ちています。
雲龍欄間の復活は、単なる修復ではありません。阿保神社が本来持っていた霊的秩序を、再びこの世に現す神聖な営みです。そして、阿保親王をお祀り申し上げ、菅原道真公を御本殿に戴くこの社において、東方青龍の守護が完全な形で甦ったことは、次の御本殿再建へと向かう大いなる吉兆と、宮司として深く受け止めております。
この奇跡的な復活の瞬間に立ち会い、ぜひ昇運の御神徳をお受け取りください。

阿保神社
宮司 山野美江

